国税庁「相続税の申告書作成時の誤りやすい事例集」などを公表

相続税相談の現場から

国税庁は、10月28日に「相続税の申告書作成時の誤りやすい事例集」などを公表しました。

相続税の申告書作成時の誤りやすい事例集

この「相続税の申告書作成時の誤りやすい事例集」では
間違いやすい事例を具体的に挙げて、正しい取扱いを解説してくれています。

事例① 被相続人の兄弟姉妹が相続した場合
事例② 被相続人の孫が相続した場合
事例③ 被相続人の孫が相続した場合
事例④ 被相続人と養子縁組を行った孫がいる場合
事例⑤ 生命保険金とともに払戻しを受ける前納保険料
事例⑥ 被相続人以外の名義の財産
事例⑦ 所得税の準確定申告書を提出し、還付金を受領している場合
事例⑧ 支給されていなかった年金を受け取った場合
事例⑨ 保険事故が発生していない生命保険契約
事例⑩ 保険事故が発生していない生命保険契約
事例⑪ お墓の購入費用に係る借入金
事例⑫ 未納の固定資産税・住民税
事例⑬ 団体信用生命保険契約により返済が免除される住宅ローン
事例⑭ 被相続人が亡くなる前3年以内の贈与財産

以上14事例について
どのように申告書に書けばいいか、書き方の「見本」も紹介されているので

(国の資料のわりには)一般の方でも分かりやすいです。

どういう場合が間違えやすいか

この事例を見ると、どういう場合に間違いが多いのか

その傾向も分かります。

・ 相続人が配偶者や子・親以外(2割加算や基礎控除額の計算)
・ 死亡保険金以外の生命保険関連
・ 名義預金
・ 生前贈与
・ 債務

などですね。

これらに該当する方は、関係のある項目だけでも、一度確認しておくと安心です。

相続税の申告のためのチェックシート(令和6年分以降用)

「小規模宅地等の特例」と「配偶者の税額軽減」を適用した相続税申告書の記載例

も、最新版が公表され

父が亡くなり、母と子ども2人の計3人が父の遺産を相続する際に

小規模宅地等の特例と配偶者の税額軽減を使う場合の

申告書の作成手順と記載方法が解説されています。

これに該当する方は多いので、自分で申告書を作る方はぜひ確認しておきましょう。

さらに、チェックもれがないか心配な方は

「相続税の申告のためのチェックシート(令和6年分以降用)」

にも目を通しておくと、万全だと思います。

-相続税相談の現場から

関連記事

「亡くなった人判定」から「もらった人判定」へ

※平成30年4月追記済 「自宅の土地の8割引特例」とは、亡くなった人の自宅の土地は、一定の面積(330m2)まで8割引で相続税を計算できるという特例です。 「自宅の土地の8割引特例」の条件 この特例が …

自分でできる相続税申告の本

改訂版『自分でできる相続税申告』が発売されました

『自分でできる相続税申告』の改訂版(第2版)が、昨日発売になりました。 自分で相続税申告をしてみたい、という方のお役にたてばうれしいです。 旧版→改訂版で変わった点 増刷の都度、民法や税法の改正につい …

不動産オーナーの認知症対策

認知症による資産凍結が話題になり 賃貸アパートや貸家、テナントビルをお持ちの方から 将来の認知症に備えたいというご相談が増えています。 不動産オーナーが認知症になった場合 ご相談が増えている理由は 認 …

国税庁など「令和5年分相続税の申告事績の概要」を公表

国税庁や東京国税局などは、12月18日に「令和5年分相続税の申告事績」を公表しました。 相続税を納めた人や、相続税申告をした人の割合は、過去最高を更新しています。 相続税の課税割合と申告割合 国税庁や …

どうする?名義株

会社の株主を「変えた」と言っていた祖父 相続税を試算するため お客様から預かった資料を確認しようと、法人税申告書を上から1枚めくったところ 別表2「同族会社等の判定に関する明細書(以降、別表2)」の株 …

相続税相談の現場から
ブログ