産経新聞 日曜朝刊連載「100歳時代の歩き方」取材協力及びコメント

相続税相談の現場から

産経新聞の日曜朝刊「100歳時代の歩き方(全5回)」にて

相続税について取材協力及びコメントしています。

2024年9月いっぱいの連載です。

第1回 相続税はお金持ちしか関係ないのでは いや、そうでもありません

第2回 相続税の対象なのかどうか わが家の財産リストを作りましょう

第3回 相続税で土地の評価が難しい…まずは親に所有の土地を聞いておこう

第4回 配偶者は1億6000万円か法定相続分の多い方まで相続税がかからない

第5回 相続税は自分で申告することも可能です 手続きは10カ月以内に

サラリーマンには縁遠い税申告

記者さんは、お父様の相続時に「自分でできる相続税申告」を読んで下さったそうで

自分でできる相続税申告(第2版)

自分でできる相続税申告(第2版)

税金や社会保険のことは、今まで全部、会社任せだったのに
相続は何から何まで自分でやる必要があり、大変だったとおっしゃっていました。

また、自分に限らず「大組織所属・50代以上の中高年」は
投資やキャリアなども
自発的に自力でやらなきゃ、という意識が薄いとも。

確かに、会社員や公務員の方からの相談は、
相続や家族のことから、そういった話にまで広がることが多いです。

基礎控除ギリギリだった場合

さらに
「税務署から「相続税の申告等についてのご案内」は届かないが
自分でざっくり財産額を計算したら
基礎控除ギリギリだった場合はどうしたらいいか?」とも聞かれました。

税理士ならたぶん、念のためきちんとした財産評価を行った後

基礎控除以下なら「申告要否検討表」を、
基礎控除額を超えていたら「申告書」を税務署に出しましょう、と言うと思います。

ただそれは、税理士が報酬をもらえるから、ではなく

そのかたが他の相続人に説明したり、遺産分割の話し合いをするときに
専門家が計算した評価額が手元にあった方が、話がスムーズに進むことが理由です(経験上)。

でも、誰が何を相続するかが既に決まっている・スムーズに決まりそう、なら
相続税は「税務署から連絡がきたら、そのときにやります」でも、問題ありません。

不動産の所有状況は、税務署の方で把握していますので。

生前贈与の考慮も忘れずに

その場合でも、相続税申告の要否を遺産額だけで判断しないようにして下さい。

2024年1月1日以後の相続からは
生前贈与加算の年数が3年から7年に延び、

生前贈与が相続税申告に与える影響が、大きくなっているからです。

自分は亡くなった方から贈与を受けていなくても、
兄弟など他の相続人にお金が流れている可能性がある場合は

・ 亡くなった方の通帳を見て、生前の入出金記録を確認する
(通帳が見つからなければ、金融機関に依頼し、取引履歴を取得する)

・ 税務署に、贈与税の申告内容の開示請求を行う

などを検討した方がよいでしょう。

-相続税相談の現場から

関連記事

妻の老人ホーム入居金、夫が払うと贈与になる?

老人ホームの入居金、本人以外が負担すると贈与税はかかる? 介護保険がスタートして約13年。 要支援や要介護の認定を受け、自宅で介護サービスを受ける方も増えました。 介護保険は現物給付が原則ですが、1割 …

犬とパジャマ

ダイヤモンド・ザイ2023年12月号「新NISAのQ&A32」に取材協力及びコメント

ダイヤモンド・ザイ2023年12月号の特集「新NISAのQ&A32」にて 「相続対策にも有効!?家族の非課税枠活用法」について取材協力とコメントをしています。 ※ 家族だけど非課税枠はないヒト …

国籍さえ変えればOK?

前回のコラムでご説明した国外財産調書制度は、富裕層の方が国外に持っている「モノやカネ」を国に報告させる制度です。 日本の相続税や贈与税がかかるかどうか 日本の相続税や贈与税がかかるかどうかは、もらった …

親きょうだいの扶養義務

就職や結婚を機に家を出て、自分の家庭を持った後も 実家の親きょうだいが経済的に困窮している場合は、支援する必要があります。 ただ、誰がどの程度支援すべきかは、法の定めや各人の状況により異なります。 扶 …

所得税の準確定申告で定額減税の適用を受ける場合

令和6年分の所得税では定額減税が実施され、一定額が所得税から控除されます。 そのため、今年亡くなった方の確定申告を 年内に行う場合の「準確定申告」では 申告書にその旨を記載するのを、忘れないようにしま …

相続税相談の現場から
ブログ