相続のエキスパート

福田真弓税理士事務所相続・家族・財産・カウンセリング

人生に、サステナブルな豊かさと心の健康を

Sustainable wealth and mental health

【第12回】 「亡くなった人判定」から「もらった人判定」へ

第1回~24回

※平成30年4月追記済
「自宅の土地の8割引特例」とは、亡くなった人の自宅の土地は、一定の面積(330m2)まで8割引で相続税を計算できるという特例です。

「自宅の土地の8割引特例」の条件

この特例が改正され、平成22年4月1日以後に亡くなった人の相続からは、適用を受けるための要件が、とても厳しくなりました
現在は、自宅の土地を8割引で相続するには、次の1と2の要件を両方クリアしなければなりません。

要件1 【亡くなった人判定】 「亡くなった人」が住んでいた自宅の敷地であること

要件2 【もらった人判定】  「もらった人」が(1)~(3)のどれかにあてはまること

  1. 「奥さま」が、相続する
  2. 亡くなった人と「同居」していた親族が相続し、持ち続け住み続ける
  3. ((1)(2)にあてはまる人がいなければ)
    マイホームを持っていない「別居」の親族が相続し、持ち続ける

改正前は、亡くなった人が住んでいた自宅の土地なら無条件に5割引(要件1)、(1)(2)(3)の人がもらったなら、さらに8割引になりました(要件2)。
税理士の頭の中にも「亡くなった人の自宅の土地は、最低でも5割引」とインプットされています。

割引できるかどうかは「もらった人次第」

でも、改正によりこの5割引は廃止され、割引できるかどうかは「もらった人次第」になりました。
亡くなった人が住んでいた自宅の土地でも、要件2の(1)(2)(3)の人がもらった場合だけが8割引、それ以外は一切割引なしになったのです。

ということは、相続税がかかる方なら、遺言書の役割は単に財産を残す人を決めておくだけでは不十分だということも、お分かり頂けると思います。
残した財産額が同じでも、その財産の分け方次第で国に払う相続税が大きく違ってくるからです。

「亡くなった人判定」の落とし穴

また、要件2の「もらった人判定」の陰に隠れ見落とされがちですが、要件1の「亡くなった人判定」にも落とし穴がたくさんあります。

両親や夫が長年暮らしていた自宅なら、「亡くなった人判定」を難なくクリアできる訳ではありません。
要件を満たすかどうかは、亡くなった人がその土地の上にある建物に、亡くなる瞬間に生活の拠点を置いていたかどうかにより判定します。
そのため、「病院に長期間入院していた」「老人ホームに入ってしまった」「平日は都内のマンションで生活し、週末だけ郊外にある自宅に帰っていたので住まいが複数ある」など、判断に迷うケースがあるのです。

該当する方は、専門家などにさらに詳しく確認しておくことをおすすめします。

-第1回~24回

関連記事

【第17回】 養子の子は養子?実子?

先日、あるお客様に相続税の試算結果をご説明したところ、「金融機関が試算してくれた金額とかなり差がある」と言われました。 確認させて頂くと、養子に関する取扱いの違いから、相続税にも大きな違いが生じていた …

【第4回】 相続税の申告を間違えたら、いつまでに直した方が得?

税務署に提出した申告書に誤りがあり、払うべき税金が不足していたことに、ハッと気づいたとします(仮定の話です)。 相続税の申告を直す方法 その場合、正しく直す方法は2通りあり ・納税者側から修正する・・ …

【第19回】 税制改正で贈与税はホントに減税?

平成25年度の税制改正大綱を読むと、「相続税」は税率のアップや基礎控除額の縮小などの増税が予定されています。 一方、「贈与税」は減税傾向だと言われていますが、本当にそうなのか(法律や政令はこのコラムの …

【第5回】 兄には絶対、財産を残したくなかったら?

「遺言書を作りたい」という男性が、事務所にお越しになりました。 子どもはなく、さらに妻にも先立たれ、ご両親も既に他界しているので、法定相続人は兄だけです。 でもその兄とは、お父様の相続のときにもめた結 …

【第16回】 広大地バンザイ?

※この「広大地の評価」は、平成29年12月31日以前に相続があった場合に適用できる規定です。 平成30年1月1日以降の相続については「地積規模の大きな宅地の評価」の適用を受けられるかを検討して下さい。 …