「亡くなった人判定」から「もらった人判定」へ

相続税相談の現場から

※平成30年4月追記済
「自宅の土地の8割引特例」とは、亡くなった人の自宅の土地は、一定の面積(330m2)まで8割引で相続税を計算できるという特例です。

「自宅の土地の8割引特例」の条件

この特例が改正され、平成22年4月1日以後に亡くなった人の相続からは、適用を受けるための要件が、とても厳しくなりました。
現在は、自宅の土地を8割引で相続するには、次の1と2の要件を両方クリアしなければなりません。

要件1 【亡くなった人判定】 「亡くなった人」が住んでいた自宅の敷地であること

要件2 【もらった人判定】  「もらった人」が(1)~(3)のどれかにあてはまること

  1. 「奥さま」が、相続する
  2. 亡くなった人と「同居」していた親族が相続し、持ち続け住み続ける
  3. ((1)(2)にあてはまる人がいなければ)
    マイホームを持っていない「別居」の親族が相続し、持ち続ける

改正前は、亡くなった人が住んでいた自宅の土地なら無条件に5割引(要件1)、(1)(2)(3)の人がもらったなら、さらに8割引になりました(要件2)。
税理士の頭の中にも「亡くなった人の自宅の土地は、最低でも5割引」とインプットされています。

割引できるかどうかは「もらった人次第」

でも、改正によりこの5割引は廃止され、割引できるかどうかは「もらった人次第」になりました。
亡くなった人が住んでいた自宅の土地でも、要件2の(1)(2)(3)の人がもらった場合だけが8割引、それ以外は一切割引なしになったのです。

ということは、相続税がかかる方なら、遺言書の役割は単に財産を残す人を決めておくだけでは不十分だということも、お分かり頂けると思います。
残した財産額が同じでも、その財産の分け方次第で国に払う相続税が大きく違ってくるからです。

「亡くなった人判定」の落とし穴

また、要件2の「もらった人判定」の陰に隠れ見落とされがちですが、要件1の「亡くなった人判定」にも落とし穴がたくさんあります。

両親や夫が長年暮らしていた自宅なら、「亡くなった人判定」を難なくクリアできる訳ではありません。
要件を満たすかどうかは、亡くなった人がその土地の上にある建物に、亡くなる瞬間に生活の拠点を置いていたかどうかにより判定します。
そのため、「病院に長期間入院していた」「老人ホームに入ってしまった」「平日は都内のマンションで生活し、週末だけ郊外にある自宅に帰っていたので住まいが複数ある」など、判断に迷うケースがあるのです。

該当する方は、専門家などにさらに詳しく確認しておくことをおすすめします。

-相続税相談の現場から

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