ダイヤモンド・ザイ2023年12月号「新NISAのQ&A32」に取材協力及びコメント

相続税相談の現場から

ダイヤモンド・ザイ2023年12月号の特集「新NISAのQ&A32」にて

「相続対策にも有効!?家族の非課税枠活用法」について取材協力とコメントをしています。


※ 家族だけど非課税枠はないヒト…

NISAとは

来年2024年から、新しいNISAがスタートします。

通常は、特定口座などの「課税口座」で投資をすると
配当や売却益に約20%の所得税と住民税がかかりますが

NISAは、この税金が「かからない(非課税になる)口座」です。

たとえば、投資信託を解約して100万円利益が出ると
特定口座なら、税金が20万円引かれて、80万円しか受け取れませんが

NISAなら、まるまる100万円受け取れ、得になります。

新NISAとは

来年からこの制度が大幅に拡充され

・非課税で運用できる期間が「無期限」
・非課税で投資できる枠が、一生涯で「1800万円」
・1年に投資できる金額の上限が「360万円」

と、税金のメリットがかなり大きくなります。

さらに、NISA口座内の上場株式や投資信託を売却すると
その翌年に、簿価(取得したときの価額)の分だけ、一生涯の非課税投資枠が「復活」します。

たとえば、一生涯分の1800万円の枠を使い切っていた方が
100万円で買った株を300万円で売ると

まず、利益の200万円に税金がかからず

その翌年に、1800万円の枠が簿価の100万円分だけ復活するので
その枠を使い、NISA口座で新たな投資ができます。

自助努力で資産をコツコツと増やしていきたい方には、おすすめの制度です。

家族の非課税枠を活用するには

たとえば、4人家族の場合
1800万円×4人=7200万円も、家族で非課税で運用できるので

保有資産が多い方からは
配偶者や子ども、孫のNISA枠も活用したいというご相談を受けます。

ただし、その資金を
夫→妻、父→子、祖父母→孫、のように援助する場合には
必ず「贈与」の手続きを正しく行うようにしてください。

妻が夫の口座から自分の口座にお金を移したら「贈与」になる?

家族の名義でNISA口座を作り、名義になっている家族以外の人が運用すると
相続のときに遺産分割や相続税でトラブルになりますので、気をつけましょう。

-相続税相談の現場から

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