令和5年分の路線価が公表されました。全体的に上昇傾向です

相続税相談の現場から

昨日、7月3日に、令和5年(2023年)分の路線価が公表されました。

令和5年中に亡くなった方の相続税や、贈与を受けた方の贈与税は

この令和5年分の路線価図・評価倍率表を使って計算します。

路線価、全国的には上昇傾向

今年の路線価は、コロナが落ち着き景気も回復しつつあるため、全体的に上昇傾向です。

全国に約32万地点ある、標準宅地の路線価は、平均で前年比1.5%上昇していました。

とはいえ、これはあくまで全国平均なので、下落している県も多くあります。

(青森、栃木、群馬、新潟、山梨、富山、福井、岐阜、静岡、三重、
奈良、和歌山、鳥取、島根、徳島、香川、愛媛、高知、宮崎、鹿児島、以上20都道府県は下落)

一方、東京都は前年比3.2%も上昇しています。

都内の税務署管内ごとの最高路線価は
前年比で下落した地点はひとつもなかったそうです(すべて上昇、または横ばい)。

山手線の内側は5%ほど上昇

路線価の公表は毎年7月1日前後なので
1月に亡くなった方の申告期限である11月までは、残り4ヶ月しかありません。

そのため税理士は、公表前は前年(令和4年)の路線価で相続税を仮計算しておき

今年(令和5年)の路線価が公表され次第、急いで路線価を入れ替え
土地の評価額や相続税額を確定させています。

私も、昨日、今日はその作業をしていましたが
山手線の内側エリアは、前年比で5%ほど路線価が上昇しているように感じました。

60万円→63万円
95万円→99万円
115→120万円

といった感じです。

今年は上場株式もバブル後最高値を更新しており、相続税の負担感が増しそうです。

同じ場所の路線価の推移を確認したいとき

ちなみに、同じ場所の路線価を、過去複数年にわたって確認したいとき

路線価図のトップページから、該当する年をひとつひとつ選んでいってもよいですが
それだとサイトを行ったり来たりする手間がかかります。

その場合、URLの一部を手入力で直して調べた方が、断然早く確認できます。

たとえば、令和5年分の路線価のURLが以下なら

https://www.rosenka.nta.go.jp/main_r5/tokyo/tokyo/prices/html/21021f.htm

令和4年は
https://www.rosenka.nta.go.jp/main_r4/tokyo/tokyo/prices/html/21021f.htm

平成30年は
https://www.rosenka.nta.go.jp/main_h30/tokyo/tokyo/prices/html/21021f.htm

なので、太字部分だけを変えれば、該当するページが表示され、早いです。

ただし、URLのパターンが同じなのは、平成29年までになります。

税理士以外のニーズはないかも、ですが
土地の価格の推移が気になったときには、簡単に調べられます。

ご興味があれば、試してみて下さい。

-相続税相談の現場から

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